ベクトル解析機能
カルキングは、直交座標系、極座標系、円柱座標系を扱います。
pfrm0001.png
直交座標系
座標系の表現は右手系を基本とします。
2次元では時計のまわる方向とは逆になります。
3次元では、右の図に示すように右手系で表します。
点の記法は括弧表現が基本です。
pfrm0002.png
基底単位ベクトル
obj0001.png
基底単位ベクトルはいくつかの表現方法があります。
カルキングでは、ベクトル解析ツールバーでこれらを使い分けることができます。
例  2次元、3次元直交座標系
5 + 3 -2
この表記は、2次元、3次元のみに制限されます。
例  多次元直交座標系、極座標系、円柱座標系
ベクトル解析で使われる変数名の記法
スカラーは標準書体で、ベクトル変数名は太字(ボールド)で表記します。
高等学校ではベクトル変数名は太字(ボールド)ではなく上辺に→の表記法を使います。
カルキングはどちらにも対応できています。
ここでは、ベクトル変数名は太字(ボールド)で表記します。
ベクトル解析の数式では、標準書体と太字が混在します。
この作業のために以下のような便利な操作方法があります。
太字モードでないときに太文字を入力する方法
obj0002.png
CTRL+SMPLX martini文字盤クリック
この方法は、ノーマル書体で数式を作成中に
太文字を入力しても、書体モードが変化しません。
スカラー変数、ベクトル変数が混在したときの計算例
3次元空間の点(5,2,4)を通る球の体積を求めよ。ただし球の中心は原点にあるとする。
代入定義
代入定義
半径を求める。
計算
球の体積を求める。
別解1
代入定義
代入定義
半径を求める。
計算
球の体積を求める。
別解2
代入定義
代入定義
半径を求める。
計算
球の体積を求める。
ベクトル計算の答の表示形の変更方法
=記号の直後に、特徴を表す記号を記入して、計算します。
この方法は単位計算の時と類似した方法です。以下に例で示します。
代入定義
単位ベクトルの  を=の直後に記入して、計算を実行すると、次の様になる。
計算
単位ベクトルの  を=の直後に記入して、計算を実行すると、次の様になる。
計算
次の例は、逆のケースになります。
代入定義
可変カッコを=の直後に記入して、計算を実行すると、次の様になる。
異なる座標系間の答え表示の変換
座標系単位定義
代入定義
単位ベクトルの  を=の直後に記入して、計算を実行すると、次の様になる。
計算
計算
ベクトル解析用の演算子
ベクトル内積演算子、ベクトル内積演算子、ノルム(絶対値)の入力に関しては
ベクトルで説明しています。
その他の演算子に関しては「ベクトル解析」ツールバーから入力します。
obj0003.png
このなかで最も汎用性の高い演算子は∇演算子です。
graddivrotcurlは∇演算子を用いて定義されています。
なおrotcurlは同じ機能です。
∇演算子
直交座標系での∇演算子の定義
基底ベクトルを用いた等価な別の定義
計算例1
関数定義
代数計算
代数計算
計算例2
関数定義
代数計算
関数の引数を省略して計算することができます。
代数計算
grad関数の定義
以下の内容でシステム関数として定義されているため、定義する必要はありません
計算例3
代数計算
この時、内積演算子·に対して以下のようになります。
とシステム関数として定義されています。
計算例4
関数定義
代数計算
代数計算
外積演算子に対して以下の様に定義されています。
計算例5
関数定義
代数計算
代数計算
ラプラシアンの定義
ただし
計算例6
関数定義
代数計算
代数計算
これらの機能はベクトル演算であるために、座標系によって数式表現の形が異なります。
極座標系、円柱座標系は曲線座標系と呼ばれる座標の一種です。
カルキングではこれら曲線座標系での∇演算子を実行することができます。
ベクトル計算において、直交座標系と極座標系しか利用しないときは、
「座標系単位定義」は特に利用する必要はありません。
しかし円柱座標系を利用するときは座標系単位定義が必要となってきます。
カルキングシステムが∇演算子を実行するときに、曲線座標での計算では極座標系か
円柱座標系かで計算方法が異なるからです。
円柱座標系計算を始めるときは、一度下記の座標系単位定義が必須です。
この定義により、円柱座標系計算モードになり、円柱座標系計算が可能になります。
円柱座標系計算モードの時に、∇演算子の極座標系計算を実行するときには、
極座標系計算モードに切り替えるために、下記のような座標系単位定義が必要です。
注意: 解説書により、θ、φの角度の定義が逆のことがあります。
カルキングはこれを使い分けることができます。
詳しくは、「マイドキュメント」のCalking12 Files\LibFiles\basic.lbrを参照してください。
極座標系における∇計算の例
座標系単位定義
関数定義
代数計算
関数定義
関数定義
関数定義
関数定義
内積計算
代数計算
この計算式は、以下の簡潔な表現の式と等価です。
外積計算
代数計算
ラプラシアン計算
代数計算
代数計算
関数定義
この場合の計算結果の表現は以下のようになる
代数計算
代数計算
具体的計算例
関数定義
代数計算
代数計算
代数計算
代数計算
代数計算
円柱座標系における∇計算
座標系単位定義
関数定義
代数計算
関数定義
関数定義
関数定義
関数定義
代数計算
代数計算
ラプラシアン
代数計算
代数計算
関数定義
代数計算
代数計算
関数定義
代数計算