<範囲定数と範囲変数>
1 用語の説明
範囲定数とは2つの整数値で定義される定数である。
1つは下限値、もう一つは上限値である。
1..100
2..12
範囲変数とは範囲定数を代入定義で定義されたものである。
代入定義
代入定義
なお範囲変数に関連したシステム関数がカルキング365ではサポートされました。
2 システム関数
計算
3
範囲定数範囲変数に関する規則。
集合代入には範囲定数しか使えない。
ループ代入には範囲変数しか使えない。
数学でなじみの漸化式もループ代入の一つの例です。
ループ代入の左辺には必ず、配列の添字部範囲変数が存在しないといけない。
代入文の左辺にしか範囲変数が存在しないときは、ループ代入となみなさない。
代入定義ではない計算には範囲定数と範囲変数の両方が使用可能である。
例題を使った解説。
(1) 配列に関する集合代入
集合代入は行列と配列に関して利用可能です。
代入定義
代入定義
計算
代入定義
計算
注意 以下の範囲変数を使ったものは
集合代入にはなりません。
代入定義
代入定義
この代入定義はループ代入になり
集合代入にはなりません。代入結果は以下のようになります。
計算
(2) 行列に関する集合代入
以下は「零行列」アイコンを使って行列を作っています。
代入定義
計算
代入定義
計算
(3) ループ代入
代入定義
代入定義
jは範囲変数になる。
代入定義
jが=記号の左辺の配列aの添字部に現れるので、ループ代入と認識される。
計算
(4) 漸化式への応用
フィボナッチ級数を求める
代入定義
代入定義
代入定義
jは範囲変数になる。
代入定義
jが=記号の左辺の配列aの添字部に現れるので、ループ代入と認識される。
計算
(5) 連立漸化式への応用
代入定義
代入定義
代入定義
代入定義
jは範囲変数になる。
代入定義
A= 2
以下の連立式構文のjが=記号の左辺の配列aの添字部に現れるので、
ループ代入と認識される。ただし連立式構文の実行は下記の赤字での注釈に注意してください。
なお連立式の入力方法はツールバーの「連立式・条件式」アイコンを利用してください。
計算
注 連立漸化式の操作は代入定義では
ありません。
計算
計算
本来は、a,bは同じ値に収束するはずですが、このように異なった値に収束しています。
しかし誤差はごくわずかです。
ちなみに20桁の値は以下のようになっています。
計算
従って
j=2..6
これで十分でした。
(6) 3次式の漸化式への応用
ニュートン法を利用した割り算を使わない高速版の漸化式
代入定義
代入定義
代入定義
代入定義
代入定義
計算
計算
この方法では、8番目から収束しています。
計算
以上